七歳児1

登校の拒否願望

 

それは、小学一年の入学式の日だった。

朝から土砂降りの大雨が降る中、いやいや

ながら登校する七歳児は、途上において、

ふと、ある想念が沸き起こった。

その想念は、「これから学校へ行って、

勉強して、何の役に立つのだろう?」と

いう想念であり、そう思えば、内側から

来たそれへの答えは、「たいして役には

立たないものだ。だから学校へ行くのを

やめよう。」そう思ったこと。

しかし、「行かないと親に叱られるから

行くしかない」そう呟いた七歳児だった。

 

彼が本当に学校へ行くのが嫌だった理由は、

教育等により、人は条件づけられて思考が

卑小化したり、歪曲化されたり、ウソ情報も

仕入れたりして、知識がある馬鹿者にもなる

からだと知っていたからだ。

これに加える後付けの説明は、マーヤの世界

の知識は、魂の知識と大きく異なるので、

それをいくら多く習得しても、それが自己の

本性を知る手掛かりにならないから。

三歳は無理でも、五歳児のときの魂の知覚に

ハッキリ気づいていれば、そして、それを

手放さなければ、そのままの状態において

解脱するのだから、学校へは行く必要がなく

なるものだ。

(挿入)

この七歳児の体験について、先生いわく、

「あなたは、魂の自分に気づいていました。

しかし、解脱とか魂とか唯一の知識がない

年齢において、偉大な存在からの告知等は、

理解ができないので、確証が得られない。

それゆえに、超越的な力を押し殺して生きた

ことは、さぞかし辛かったことでしょう」と

慰めのお言葉があった。

 

しかしながら七歳児は、完全な登校拒否をする

ことが出来なかったので学校に通い、ついつい

世間知に条件付けされ、それらに反応する悪い

習慣を作ってしまったということ。このような

教育による人間形成は皆さんも例外ではない。

学校教育が悪い、と言う論説ではなく、魂の

実在性とその知覚が無視され、また魂の知覚

が破壊される教育方法が大きな問題なのです。