ヒーリング7

それは、遠い昔、史上初の融雪屋根を考案し、

一躍有名になった会社を持っていた。

しかしながら、うかつにもドル箱の会社を

乗っ取られて、丸裸になった。借入した会社の

保証人として、2億円の借金を背負いながら、

収入はゼロになった。会社を乗っ取った彼らは、

日浦が会社の金を盗んで、東北へ逃げたという

ウソを流布して、世間から悪者と思われていた。

だから会社再建の可能性も閉ざされていた。

何とも言えない不安定な精神状態に置かれて、

途方に暮れた。やがて家も競売になるだろう。

 

唐揚げの骨のよう

ある時、左足の感覚がおかしいので、ズボンの

裾をめくったら、左足のひざから下の皮膚と

筋肉が削げ落ちていて、足骨に血管と筋だけが

張り付いていた。足のつま先だけに爪と僅かな

肉があった。あとは骨だけ。まるで食べ終えた

唐揚げの骨のよう。それを見て、ショックの余り

気を失った。どれくらいの時間、気を失っていた

のか知らないが、目を覚まして、左足を見て、

また気を失った。

保険証もお金も無いので、病院へいけない。

仮にも、病院へ行けば、たぶん足を切断する

だろうと思った。病院は怖い(笑)

そこで取った行動は、トイレットペーパーを

包帯代わりに使い、足を保護した。それでも

歩けたから不思議だった。

二十歳の時、重度な胃癌を自己ヒーリングした

ことや、他のヒーリングを思い出すけれど、

この時ばかりは、その強大な意思力が完全に

失われていた。

会社を乗っ取られて、悪者扱いされ、それゆえ

経済的にも精神的にも、落ちるところまで深く

落ちたんだな、と知る。

<中略>

借金取りに見つからないよう家中のカーテンを

締めていて、自分の部屋も昼なおも暗い。

暗い部屋のベッドに腰を掛けて、時々世話に

なった聖霊の助けを求めたが、その答えは

無かった。だからついに見放されたかと思う。

現実的には、2億円の借金を抱えて、収入が

ゼロ、加えて左足を切断するならば、死んだ

方が遥かに楽なのだ。なぜなら自分が還る

べき世界を知っているからだ。

いま死のうか?とも考えた。しかし、娘達を

残しては逝けない。だからまずは健脚を再現

しようと思い直した。

 

聖霊の使い?現れる

僕の寝室は15帖ほどの広さがあった。

カーテンが閉ざされ、そこは暗い。ベッドに

座り、これからどうするか考えたのではない。

考えても解決策は知られないから。

なぜ、このような現象が生じたのか、それも

考えなかった。ただただ無想であった。

無想しかなすすべがなかったのだ。

 

くらい部屋のベッドに空しくたたずむわれ。

もう一度、聖霊を呼んだ。だが彼はやって

来なかった。見放されたか。

しかし暫くすると、部屋の片隅に光りがあった。

床面から天井まである卵型の光り。その光が

薄まると、人の姿が現れた。身長170cm位の

スリムな女性だ。

僕のところまで歩み近づくと、床に跪いて

僕の両方のズボンの裾をまくりあげた。

骨しかない左足を見て、また気絶するかの

ようなわれ。

彼女は人の姿をしてはいるが、人間ではない。

もちろん霊的な存在。彼女は右足の腿を両手を

もってスキャンした。その両手をもって、骨の

左足をスキャンした。

なんということか!

左足は完全に元の健脚に戻った。僕は触れて

みた。皮膚があり、筋肉があり、元通りの足に

戻っていた。

微かに微笑みながら彼女は消えた。

この彼女には見覚えがある。どこの誰かは想い

出せないが。。。

ヒーリング種明かし

60代後半、先生との出会いがあって、足の

病気と癒しについても教えられたこと。

「あの美しい女性は、あなたのイメージが

産みだしたものです。自分ではヒーリングが

できなくなったと思う深い落ち込み感から。

あの足を治したのは、ご自分です。どうやって

治したか、思い出しませんか?」と言われた。

それに答えられない自分がいた。

「あなたは、時間を止めたり、動かしたりする

ことができる人です。時間を支配できるので、

健脚であった過去に遡って、それを物質化させ、

左足を完治させたことを想い出しませんか?」と

先生のお言葉だった。先生、本当に凄すぎる。

 

彼女の顔に見覚えがあるのは僕がイメージした

感覚だったからと教えられた。なるほど自分に

似る訳かいなと知る。この時、深い闇に落ちて

いたので、他力依存の思いがあったということ。

その他力依存の思いが仮想の彼女を出現させて、

その彼女から治してもらったと言うややこしい

設定であった。それでも、真のヒーリングは顕現

したのです。

皆さんも覚えれば、それが出来るのです。