世間には、フリーメーソンとか、
イリミナティーという秘密結社が
あるという。それが存在するのか
どうかどうでもいいこと。
事実は、名を知らせない秘密結社の
ような組織もいくつもあるから。
そうした類の幹部クラスの人が身分を
隠して、セミナーにやって来た。
二度の受講後、特別に会いたいという
ので、某ホテルのラウンジで会った。
その人は、大粒のダイヤを入れた重厚な
ブレスレットと、そのブレスレットに取り
付ける特別な鳳凰を作って欲しいという。
オール純金製がいいと。そして、重厚なる
鳳凰が手の甲に乗るようにと。
その要望を細かく聞くところによれば、
市販にない斬新なアイディアと言える。
「三千万円くらいかかりますよ？」
「はい結構です。お幾らでも言い値を
お支払いします。全体的なデザインは
先生にお任せします♬」と言った。
次いで、「どうしても先生の特別な
作品が必要なのです♬」という言葉が
引っかかった。
期待するアクセサリー制作を引き受けた
ので安心したのか、驚きの言葉があった。
「わたし、トランプとか、バイデンとか、
日本の天皇と知り合いです。彼らの中でも
天皇が一番の悪ですが、一番大きな権力を
持っています。いまから天皇をここへ呼び
ましょうか？」と、押し隠した身分をつい
さらけ出してしまった。
「あなた、フリーメーソンの上級幹部だね。
僕の様子見と勧誘に来たんですね？」と
言うと、コーヒーカップを持っていた手が
わなわなと震え、コーヒーがテーブルに
こぼれ落ちた。
この人は、ただセミナーに興味があり、
参加する際の動機は純粋だった。だから
セミナーの受講を許可したということ。
二度のセミナー後、仲間に話をしたら、
勧誘しろというミッションが与えられ、
この茶会の席が実現した。
彼らの中には、凄い霊眼を持つものが
複数いて、巨大なオーラの日浦を透視
したことから、日浦を勧誘しろという
流れになったようだ。それを目の前の
人に話したら見抜かれた！という想念と
共に、顔面蒼白になった。
「僕は、彼を天皇と思ってはいないし、
会う気はさらさらないです。」と言うと
驚いた様子。それを断る者がいないわけが
無いと言う思い。次いで、「いま、作ると
いったアクセサリーは、やめます。
なぜなら、あなた達の不浄な金を受け取り
たくはないから。さりとて高価なブレス
レット等を無償で提供する訳にいかない。
そして、あなた達のメンバーとは関わり
たくはないです。だから、ここで今日、
お別れだね。」
その人は帰り際、ミッションを果たせない
悔し涙を流しながら、「仲間に入れば、
莫大な富と権力がもらえるのに日浦さん
馬鹿です！」と言っていた。
「僕は、馬鹿に違いないけれど、富とか、
権力に縛られるような僕じゃあないよ」と
後ろ姿を見送った。
かの組織は、桁違いな光を放つ日浦が何を
するのか興味があるのだろう。だから今後、
展開する戦略、戦術などは、うかつなことを
書けないと知る。
だから、それからしばらくして、ブログは
全部を削除したわけです。
学生時代、やくざの親分から、金の名刺を
もらった体験を思い出す。その名刺を見せると、
何でもタダだというが、使うと危ないと知り、
京都の鴨川に捨てた金の名刺。
