支配階級

若さゆえにか、色んなカクテルの作り方を

短期間に覚えた。チーフバーテンダーの

指導も良かったのだ。

この地下へやってくるスペシャルゲストは、

なんと、時の総理大臣、閣僚などであり、

単なる国会議員は、この地下に入れないのだ

と教わった。

そして、芸能界の大物とか、財界の大物も

招かれる。また驚いたことに、全国制覇を

為し遂げたと言う広域暴力団の親分衆も来る

のだ。子分とかチンピラは、入れないのだと

言う。招かれるゲストを知れば、べラミの

地下空間がどんなところか見えてくる。

 

戦後、ヤクザが自民党を作ったと言う話しは

有名であるが、いつの時代でも政治とヤクザと

財界は、隠れた深い関係を持つものなのだと

知るのは、後々の事であるが、そのような面々

たる顔ぶれ、彼らの名刺を貰えば、19歳でも

彼らが集うことの事態が理解できたと思う。

詰まる所、べラミの地下は、夜の国会議事堂

の様であり、夜の閣僚会議であり、それぞれの

世界の支配者たちが隠れて集う夜の社交場だ。

 

そうした大物達を引き寄せて束ねているのは、

なんと、ママであったと言う新たな驚きだ!

夜ごと来る大物に対し、たかがバーテンダー

でしかない日浦を紹介するママは、何者ぞ。

このようなべラミの経営権をくれると言うが、

国を代表する各支配者階級の情報と交渉権も

受けとれと言うことを暗示しているのだ。

凄すぎる現実展開に頭の中が真っ白になった。

べラミの7階建てビル、その経営権をくれると

言う話しは凄すぎる。だがしかしママの素性、

本当の意図を知らなければ、受け取るわけに

行かないことは、19歳の馬鹿者にも分かる。

しかしママは、決して自分の過去を語らない。

マネージャーもまた口を閉ざしたままだ。

わずか19歳の日浦は、想像を絶する未知の

世界へ両足を入れてしまったと知る。