道を開く

高速道路を300キロの速度で走った道路交通法の

違反者。警察からは、バイクの試験さえ二度と

受けられないと言われた。

二度とバイクに乗れないのは、寂しいものだった。

 

 

ツーリングの日は、バイク仲間が家の前に集合し、

エンジン音を吹かず。バリッバッバリッ、ドッドッドッ、

ブーンブン、バイクによって音が違う。当たり前だ。

「俺たちツーリングに行ってくるからな、いい子にして

留守番していろよ。そしたら土産を買ってくるからな(笑)」

 

 

その夜、これからツーリングに行くぞ!という夢を見た。

ライダースーツを着て、メットを持ってガレージへ行った。

 

あれ?僕のバイクが無い!?

家の周りを探すけれど、どこにもない!切なくて泣いた

ところで目が覚めた(笑)バイクは売り飛ばしたから

あるわけが無い。

 

大型バイクに乗りたい一心は、

道なき道を開くのだ。

 

何がなんでも大型バイクに乗りたい!

考えに考えた末、東京は、高田の馬場にいる友人宅へ

住民票を動かして、都民として受験すれば、新潟での

暴走履歴が消える。

だろう?

そして、試験に無事通れば、大型バイクの免許が

もらえる。だろう?

そう考えた。

 

あの頃は、暴走族が全国に多発し、傷害事件や交通事故を

起こすので、大型免許は、与えないという方針だった。

重量があり、大きなパワーを生み出す大型バイクは、

訓練とテクがないと乗りこなせない代物だ。訓練もテクも

無い者が乗るから事故が起こる。これ当たり前。

 

府中の試験場では、日に300人が受験するという噂を聞いた。

受験の希望者はさえぎれない。だが合格はさせない。

試験官は、わざと落第させるよう色々と工夫していた。

ひどいおんぼろぼろバイクを運転させて、すぐにエンスト

するから、「はい、不合格!」という具合に。見ていると

面白かった。

冬になれば、試験場の路面には、夜間に水を撒くそうだ。

朝の試験時は、路面に氷が張っていて、みながこける。

「はい、不合格!はい、不合格!」という具合に。日に

受験者300人をさばくには、良い方法だったのだろう。

これも見ていて面白かった。だから日に3人しか合格

しないのだ。と言うより、3人にしか免許を与えないと

いう方針だった。合格する3人は、恐ろしくテクのある

ライダーなのだ。

だから、東大入試かナナ半(750CC)の面許かと揶揄

されていた時代だった。それは、神業レベルのテクが

無ければ、合格しないのだ。

そんな技が僕にあるわけがない。わざと不合格にする

試験は、怖かった。

 

あの頃、白バイ隊長兼白バイの試験官が、大型二輪の

教習所を府中で運営していて、全国的に話題だった。

バイクの神様とも言われた人物。さらに鬼の中川とも

言われていた。同じ新潟県人だと分かったので、ぜひ

門下生にしてもらおうと考えて、あのころ府中にあった

「中川二輪教室」へ行った。

 

隠し事は良くないと思ったので、初めに事情を正直に話して、

門下生になりたいと告げた。

すると

「バッカもん!おれは警察官だ!

免許取り消し野郎に教えるわけがない!」

そういって、持っていた竹刀が僕の頭を激しく直撃した。

 

ふんふん 

 

「おおー!!警察官が人の頭を殴って

いいのかな?これって傷害事件に

ならないのかな?」

と大声で言って、中川先生の怒りを破壊してやった(笑)

続くにしようか・・・