赤ヘルライダー(続)

娘の通う学校へ娘の弁当を届けた夕方、

長女は、へらへら笑いながら帰宅した。


長女「パパ、今朝は有り難うね♪」

父「どういたしまして」

長女「休み時間にネ、三年生から呼び

出されたのよ。」

父「そうか。三年生から言われたことは、

あんなかっこいい彼氏、お前なんかに

もったいないと言われたんだろ?」

長女「そう、その通り!それから何といった

と思う?」

父「自分たちに紹介しろと言ったんだろ?」

長女「その通り(笑) どうしてわかるの?」

父「大体、そんな流れになるんだよ」

長女「そうなのかー。でも三年生の言うことが

おかしいから、つい笑ったの。そしたらね、

ほっぺた叩かれた(笑)」

父「暴力はいかんな。それからどういう

展開になった?」

長女「どうしてもあの彼氏を紹介しろって。

つまりパパを紹介しろってことだね~

どうするパパ~(笑)」

父「演出するから連れてくればいい」

長女「ほんと?連れてきたら面白いことに

なるねー(笑)」

 

そこへ次女が返ってきた。

次女「パパ、あのライダーさん、学校中の

人気者だよ。先生たちもかっこいいと言って

いたし(笑)」

次女「あのねー姉ちゃんにやったように、

わたしにも弁当を届けて欲しいなー。」片腕に

父「お前にもか?(笑)」

次女「うん、差別しないで公平にお願い♡」

父「よし、夕食を食べながら作戦を練ろう。」

次女「さくせんって何よ?」

この記事は、ようは娘たちと仲良く暮らした

無口な父親と、娘たちの関係性を物語るという

子育て体験談なのだ。

 

それから数日後、次女は弁当を家において

登校した。秋風が少しばかり肌寒いころ

だったと思うが、少し我慢して、アロハ

シャツを来て、ミラーサングラスをかけて、

今度は、大型バイクじゃあないよ、

ぴっかピカのアメ車を運転して弁当を

届けに行った。片腕にバンダナを巻いて。

校庭の入り口に来ると、バイクの時よりも

大きな歓声が沸いた。

黒塗りのアメ車は、国内では殆ど見られない

美しい低フォルムのオープンカーなのだ。

車名は、ポンティアック・ファイアーバード

トランザム(スポーツカー)だ。

次女は、玄関に待機していたのだろう

すぐさま走り寄ってきた。長女と同様に

喜んだのは言うまでも無い。

 

それから10かほど過ぎた日、長女の引率により、

わが豪邸には、20名ほどの女子高生がやってきた。

玄関には、シャッターを巻き上げたインナー

ガレージが露呈し、6台だったか8台だったか

忘れたが、高級車があった。そのほか、大型

バイクも数台あった。それらを見ながら玄関に

入るという仕掛け。

大きな玄関ドアーを開けると、そこは大きな

吹き抜けのホールであって、パンチングメタル

という穴開き鉄板の美しい螺旋階段があった。

居間内は、空間ぜんぶが吹き向け。居間には、

もう一つの階段があった。高い天井はアーチ型に

曲げられ、その天井は、無数の星を散りばめた

様な仕掛けがあった。センスいいとの評判を得て

いた建築家自身が設計した豪邸だ。

新築後、NTTの作業員が電話とFAXを付けに

来た際、家中を見て回り、二時間以上も仕事を

しなかった。彼ら曰く、「豪邸をたくさん見て

きましたが、この様な素晴らしい美しい家は

見たことがありません」と言っていた。

さて、20名ほどの高校生は、今までに見聞した

ことのない豪邸に度肝を抜かれた様子。

 

そろそろ赤ヘルライダーの登場にしなきゃあ。

家から離れた場所からやってきて、玄関前に

バイクを止めて、クラクションを鳴らす。

どかどかと高校生が出てきて、

「あーあの時のライダーだ!」と嬉しそうだった。

彼らと一緒に家に入り、応接のソファーに座るも

赤ヘルライダーは、サングラスとヘルメットを

なぜか取らない。

「マリ、みんなにケーキとジュースを出してあげ

なさい」という合図によって、二人が給仕役に。

ケーキとジュースを飲む高校生の番長らは、

「どーして、家の中でもヘルメット&サングラスを

取らないのだ?」という顔付だ。

笑いたいけれど我慢。

 番長らしき生徒が口火をきった。

「あのー、このマリちゃんとは、どういう関係

なの?本当にマリちゃんの彼氏なの??」

笑わない我慢も限界に近いので、

「君が番長か?」

「はい、そうです!」

「僕を彼氏にしてほしいのか?」と聞いた(笑)

「はい、わたしの彼氏になって

欲しいです!♡♡♡」

その言葉を聞いて、僕も娘も思い切り笑った。

腹がいたくなるくらい笑った。

生徒たちは、きょとんとしているが、それが

またおかしくて笑えた。呼吸を整えてから、

「さあ!メットを取るぞ」

 

番長「お願いします♡♡♡」

だと。遊びは終わりだ。遂にサングラスと

メットを取った。

みな「えー!×・・・」

また笑いこけたいたずら親子^^

 

「僕はね、マリの父親なんだよ」

みな「えー~!💦・・・」

 

これからまだまだ面白いことが続くんだけど、

真我実現には関係ない話しなので、そろそろ

終わりにしようか。