大鷲が翼を広げる日

読者の方は、これから読むことを、日浦ワールドのファンタジー

じゃあないということを、踏まえて読んで欲しい。

 

日浦の最終解脱シーンを透視していた紫蓮さん曰く、

「あなたが自分に抱え込んだ無限数の魂は、あまりにも膨大であり、

あまりにも重すぎて、その大翼をもっても飛ぶことが出来ません。

だから或る途方もない大きな力によって、無限数の魂は、いわば

一点に凝縮されるのです。それは、想像を超える巨大なる圧縮の

力です。そしてまた、その圧縮力とは異なる、これ別の巨大な力の

発生によって、いわゆるビッグバンのようなものが生じるのです。」

と仰った。

そしてまた続けて、「ビッグバン生成の時の、その凄まじい光りの

衝撃波によって全宇宙が震えるのです。」と眼を輝かせながら言った。

 それは、宇宙規模の転変地変が起こると言うことだ。

その時、天空の星々は落ちる。そして、暗闇が天空を支配する。

いわば天蓋が爆風により破壊されて、封印されていた悪魔どもが

地上に出てくるだろう。そして、地上の人間に憑りつこうとする。

 

日浦は紫蓮さんに聞いた。「その時、宇宙に住する多くの生き物が

死ぬんだね。」と聞いた時、「そうです。」と目を輝かせながら

答えた紫蓮さんだった。

早い話が、ビッグバンに似た新宇宙誕生の際、強大なエネルギーの

光りそのものが黄金の大鷲であり、その大翼であり、それが日浦の

化身であるという恐るべき意味だった。

 

そこに用いられる膨大なるエネルギー生成は、原爆の原理と同じだ。

それは、ただ1秒以内に炸裂しなければならない。

黄金の大鷲の為すべき仕事は、無限数の魂を大翼に乗せて、歓喜と

至福の世界へと飛び立ってゆく。そこへ彼らを解き放つ。

このようなことは、地球史に無かった最大級のイベントであり、

地球史に起こらなかった特別な恩寵だと紫蓮さんは語った。

それを阻止する諸々の反力は、もはや阻止する力を持たない。

長い間、地上の人類を支配してきたエイリアンたちも、彼方へ

消え去る。そして、新たな天には、まだ地上へ生まれたことのない

無垢なる魂達が、無限数の新しい星々として輝く。

 

地球の歴史を概括するならば、カルマを蓄積する人類に対して、

宗教的布教活動はしなくていい。自称のメシアなど要らない。

 

このような黄金の鷲が飛ぶという奇跡は、地球の宗教史には

無かったことだ。それゆえ、紫蓮さんの言葉、「かつて地上に

現れた事のない巨大な解放の力が人間の姿をしているのです」と

いうことを証明するものだ。

 

いつ、ビッグバンが生じるのか。それが日浦の最終解脱時であると

明かされた。その時期は、おおむね 5年後だろう。数年の誤差は

あるかも知れないが。遅くともその時までに、受講生の皆さんは、

解放されるということを約束したわけだ。