涙のカップラーメン

記事「自殺か夜逃げか」の続きです。

家は、電気も水道も止まったままだ。

ガスも供給が止まり、自動車のガソリンも

買えない。雪降る寒い日々。もちろん暖房が

使えない。あの苦悩体験を想いだすとき、

可愛い娘たちは、いったい、どうしていた

のか、思い出せない。娘に関する記憶が

完全に消えているのだ。

人がもし、僕の状況になったら、どうするか?

どうにもできない状況だけれど。。。

もう何日も食べていない。心身はボロボロだ。

それでもノンバンクから借りた金の催促が来る。

やくざみたいな男。

そうだ!

自殺しても生き返る日浦。自分で死ねないのだ

から、借金取りの男から殺してもらおうと考えた。

また金をとりに来たから応接に通した。そして、

台所から切れる刺身包丁を持ってきて、応接の

テーブルの上に僕は寝た。

「金が無いから、内臓でも持って帰れ」と言って

上半身裸になった。本当に殺してくれたら本当に

ラッキーだと思った。

その男は言った。「人を殺すだけの金は貰って

いない」と。そのまま帰り、二度と来なかった。

貧すれば鈍するというが如く、衣類のポケット

とか、机の引き出しを探したら、小銭が305円も

あった。これでカップラーメンが買えるのか?

買えないのかな?値段が分からないのだ。

ふらつく足取りのまま、長い雪道を歩いて、

片道40分かかるコンビニへ向かった。

何度も何度も滑って雪の中に倒れた。このまま

雪の中に寝たら死ねるのか?と思いながら。


カップラーメンって、300円あれば買えるのか?

という心配を抱えながら辿りついたコンビニ。

一個のカップラーメンを買うことが出来た。

意識はもうろうとして、どれほどふらついたのか

知れないが、ようやく家に辿り着いた。だがガスも

水道も使えない。だから裏庭のサンルームに、雪を

入れたフライパンを設置して、古新聞とか書類や

週刊誌を燃やして湯を作ろうとした。

なかなか熱湯が作れない。

ようやく作った熱湯をカップラーメンにいれて、、、

カップラーメンを食べた時、また号泣した日浦。

僕の人生は、なんと惨めだろう!

こんなことをしてまで、どうして

生きようとするのか!

カップラーメンが、あれほど美味しいと感じたのは、

生涯に一度だけ。

次は、足をヒーリングした体験を書こう。