親戚ってなに

会社を持っとられ、ウソが流布されたので、
親戚たちが集まった。それは僕の父と母の
兄弟たちだ。

事情を話しても、親戚は僕を信じなかった。
世間の風評を信じていたからだ。

「ここに700万ある。お前にやるから金を
持って逃げろ」という親戚たち。

「お前が居ると、我々は不名誉をこうむる。
だから直ぐに逃走しろ」という親戚たち。

親戚の中には、農家が数名いた。
「金が無くて喰えないなら、野菜や米くらい
やったのに、どうしてもらいに来ないのか?」
と怒っていた。そういう親戚に事情を言えば、
今と同じく激怒し、親戚会議を開いただろう。
だから親戚に助けを求めていない。

親戚会議に立ち会った二人の娘。離婚して
僕が育てた愛すべき娘たち。
「パパ、お金をもらって、明日にでも逃げて!
生きていれば、また会えるから」

「もし、パパが逃げたなら、世間のウソが
本当になる。ウソの濡れ衣をお前たちには
背負わすことは出来ない。だから逃げない」

「逃げなかったら、パパ飢え死にするよ!
お願いだから逃げて!」

優しい親戚もいて、娘を預かってくれると
言った。それを聞いて、安心した。

「親戚の皆さん、迷惑をかけて申し訳ない。
だが、僕は真実に生きている。世間の噂が
ぜんぶウソなんだよ。でも皆さんは僕を
信じないよね。ならば僕も皆さんを信じない。
お金を持って帰ってください。お願いします」

この話しは、作り話じゃあない。本当だ。

親戚は驚いて、どうするのだと聞いた。
「ここで飢え死にします。僕は逃げなかった
と言う事実が、世間に流布されたウソを消して
くれるでしょうから。」
「飢え死にだなんて、なお悪い!金を持って
逃げてくれ」という親戚の想いも理解した。

「親戚の縁を切りましょう。僕は皆さんの
親戚ではないということで。」

頑迷な僕の対応にあきれ返った親戚たち。
すごすごと帰って行った。

泣き崩れる可愛い娘たち。なにも出来ない
無能な父親。

この状況って、実に切ないものだよ諸君。

それからどうしたか、ヒーリングしたのか
しなかったのか、また続きを。