唐揚げの骨

むかし、会社を乗っ取られたことがある。

それは、僕の特約店グループの120社から、

ものの見事に会社のすべてを乗っ取られて、

丸裸になったというおバカな体験だった。

社長の自分が保証した借金2億円が残った。

それの恐怖心が主要な原因だと思うけれど、

ある日、気が付くと、左足の膝から下が皮膚が

なく、太腿の肉も無く、骨に血管と神経繊維、

筋肉の筋だけが張り付いてあり、指のつま先は、

僅かな肉片が残っていた。これが、唐揚げの

骨の様だったと言う話し。

それを見て、あまりの恐ろしさに気を失った。

すでに保険証も無く、治療費も無いから病院へ

行けない。でも病院へ行けば、膝から下は切断

されただろう。

気が動転していて、ヒーリングすると言う想い

さえなかった。そこで思案した結果、トイレット

ペーパーを一個、足に巻いた。それでも包帯変り

になって、歩くことが出来たと言う不思議。

それを交換する時は痛かった。ある日、ようやく

ヒーリングをしようと思い立った。

だが、再生すべく脛の肉が無いことに気づいて、

ヒーリング不能な状態になった。

仕方なく、いつもの聖霊を呼んだ。困ったときの

神頼みというやつ。だが、彼はやってこなかった。

そうか聖霊も見放したんだな。じゃあ、やはり

死のう。死ねば借金も死ぬなと泣き笑いした。

この時も自殺したけれど、また生き返った。

死んでも死ねない苦しみ!

人生のすべては、走馬燈の様に脳裏を走る。

自分が育てた特約店と販売店はみな裕福に

なったのだ。それが会社を乗っ取り、120社が

ウソを世間に流布したから、再建はできない。

かつて建築業界のカリスマと呼ばれ、雪国の

救世主と呼ばれた男の末路がこれか!なんと

情けない!生きることは苦だ!死ねないのも

なおも苦だ!この時の日浦の絶叫が聞こえた

だろうか?聞こえるわけないな。

続く