出会いの6

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日浦の遠い過去を透視したゆえの

紫蓮さんの涙だったのか。

いいや、まだ苦悩があった。

孤高の彼は、元仲間のエイリアンの

天敵だ。天敵が地上へ生まれると、

エイリアンは、いや神々は、いつの時代

においても彼の暗殺を実行してきた。

内面に、他者の大量のカルマを抱え込み、

それらが彼のマインドの中で暴れ廻り、

外側社会の中では、神々や悪魔から

生を破壊する障害を生じさせられ、

呪詛もされるという苦悩の連続。

生まれるたび、

ぐうの音も出なくなるまで、

叩きのめされて、

ぐうの音が止まっても、

まだ叩きのめされた日浦の過去世。

それでもなお、魂を解放しようとして、

紫蓮さんの前に現れた日浦だった。

その魂から迸り出た言葉が、

「僕は、自分を解脱させた後、

少なくとも、国内では、10人を

解脱させたいのです。」だった。

このような過去を持つゆえ、

「誰も経験し得ない苦しみ」だと

おっしゃって、大泣きした紫蓮さん。

短い今生の人生の中でさえ、

解消できない苦しみだと自覚するゆえ、

十回ほど、本気の自殺を決行した。

ガス自殺2回。ネスカフェの大瓶を

満タンにした睡眠薬を 一気に飲んで

死ねない。しからば農家の親戚から

コップ一杯のヒ素をもらい、一気にぜんぶ

飲んでも死ねない。喉を通過する前に

毒気が消えるのだ。自分が自殺するとき、

死なないようにと自己ヒーリングする

バカはいない。

死ねないことに腹立たしくなり、

高い崖の上から車ごとダイビングしても、

死ねなかった。

死んでも死ねない苦しみの日々。

床を転げまわって、床を叩くこぶしは、

紫色に腫れあがり、もはや痛みも感じない。

この頭よ、割れよ!とばかりに床に頭を

叩きつけるも石頭ゆえか、割れなかった。

もちろん、床板も割れなかった(笑)

自分にカルマが無いと知りつつ、

我のマインドが制御不能な苦悩の日々。

その理由が分からないままの人生。

神も悪魔も存在しない世界へ行きたい!

何度そう叫んだことか。

心臓が止まり、呼吸が止まること数回。

5時間か6時間すると、生き返ってしまう。

「あなたは、死ねませんよ。過去世から

不死身を獲得していたからです。」

と紫蓮さん。

「いや、手段が甘かったからだ。」

と言えば、

「何をやっても死ねないのです。

ご自分がご自分を悟るまでは」

と紫蓮さん。

その耳痛い言葉に反発して、

「大きな岩が、頭上に落下すれば、

確実に死ねるだろうね。」というと、

「いいえ、岩がよけて滑ります。

あなたの存在に何も触れることが

出来ないのです。」と言う。

僕は言葉を失った。

そして、次の想念が生じた。

「不死身の苦悩は、終りがない。」

「死んで楽になりたい。」