出会い4エイリアン達

【無断転載・流用を禁ず】

     号泣した紫蓮さん

7月半ば頃、元スタッフと共に紫蓮さんと再会した。

その日も着物だった。「着物がお好きですか?」

「はい、ほとんど着物です。」そう言った。

雑談もそこそこ、対面席におられる紫蓮さん、どうも

様子がおかしいのだ。じっと日浦を凝視しながら、

眼を赤くして、大粒の涙が流れ落ちる。しかも泣き

声を上げたいのに必死になってこらえているのが、

ありありと分かる。

紹介者の元スタッフは慌てた。気丈夫な紫蓮さんが

泣くことはあり得ないのだと僕に告げた。そして

紹介者の元スタッフは叫んだ。

「紫蓮さん!どうしたの!?」

背筋をまっすぐ保ちながら、涙を流す紫蓮さんは、

静かに語った。「日浦さん、あなたほど苦しんだ

人は居ないのですよ。」そういってまた泣いた。

この人は僕の過去を観ている。確かに人の想像し得ない

苦悩を体験した日浦。だが愚かにも僕は言い返した。

「世界には、もっと苦しんだ人がいるからね」と。

すると、

「いいえ!あなたほど苦しんだ人は誰もいません!」

むきになった紫蓮さんに驚いた元スタッフ。目の前に

いて、大粒の涙を流している人は、僕の遠い過去世を

透視しているのだ。遥かな遥かな太古の過去を。

 

太古のエイリアン

それはそれは、遠い昔、他の銀河系から幾種類もの

エイリアンが地球へやってきた。宇宙を自由に遊泳

するエイリアンには、地球は最も美しい星なのだ。

他から飛来した彼らは、人の姿をした神々だった。

魂の歴史は時の始まりを持たない。

人に生まれた当初から、彼らは高度な知性を抱いて

いる。それが地球人類と大きく異なる点だ。

彼らは魂の本性を物質として表現する知性があった。

エネルギーの物質化であった。

やがて、エイリアン同士の戦いが地上に勃発する。

また地球人類を支配下に置こうとするエイリアンが

いて人類の奪い合いも生じた。地球人の知性では、

彼らと戦うすべを持たない。それは、シュメールの

文明より、もっともっと太古の時代だ。それを思い

出すことの出来る人は真我を悟った紫蓮さんのみ。

太古の時代、幾度かポールシフトが起こり、加えて

太陽フレアも生じ、地上のあらゆるものがマグマの

中に熔解していった。

エイリアンという異星人。彼らとて、原質から成る

唯一の存在だ。そうでありながら地球人類を支配下に

置こうとする。そんな彼らに対し、それを阻止しよう

とする仲間のエイリアンは誰もいなかった。

 

孤高のエイリアン

だが、いつの頃か、唯ひとり、人類支配に反旗を

翻したエイリアンが現れた。だが彼は、戦うという

想念を持っていなかった。だから仲間たちから打ち

のめされ続けた。それでも、敵対者を憎むと言う

想念さえも持っていなかった。彼は、あまりにも

純粋だったのだ。

人類を自由にしたいと思うゆえ、仲間のエイリアンと

戦わざるを得なかった彼は、数万の敵に対し、ただ

ひとりだった。そんな彼に味方する仲間もいたが、

圧倒的多数のエイリアンを見れば、みな逃げ出す始末。

無理もない。

 

地上の幾多転生において、孤高の彼は、やがて戦いに

勝利するという想念を生み出し、今まで仲間であった

エイリアンとの戦いを受けて立った。お互い不滅の存在

だから戦いに終わりが無く、熾烈な戦いは、幾世代も

繰り返された。その熾烈な戦いは、奴隷化された地上の

人類が解放されるというその日まで、気の遠くなるほど

の時代をまたいで成し遂げられるものだ。

この時代、この21世紀に日浦が地上に生まれたのは、

人類の奴隷解放を成し遂げるための最終戦争のためだ。

 

比類なき解放のパワー

だから孤高の彼は、数万の神々であるエイリアンを

打ち倒すことの出来る、という巨大なる解放の力、

つまり、エイリアン等とは桁違いの救済のパワーを

欲した。その様な無限的な力無くして、彼らと戦う

ことが出来ないのだから。そして、限界なき破天荒な

力、パワーの獲得に向けて、彼は想像を絶する厳しい

霊的修練を繰り返し行いつつ、エイリアンとの戦いに

挑んだのであった。それこそ、想像を絶する苦悩の

連続体験であった。

 

やがて孤高の彼は、遂に強大なるパワーを獲得した。

それは、他のエイリアン達の力を凌駕した凄まじい

力であった。しかし、それでも地上には、神々という

エイリアンに奴隷化されていながら、自由を渇望する

魂の群れがある。

そんな魂群を救済するには、先ずは、エイリアンの

支配と妨害から逃れなければならない。どうやって

エイリアン等の支配と妨害から逃れることが出来る

のか?

孤高の彼は、誰にも出来ない荒技を考えたのだ。

それは、いったいどんな荒業なのか。

彼自身の中に莫大な数の魂達を抱え込み、そのまま

自ら地上へ下生するという業である。地上の肉体を

持ったまま、自ら解脱を果たし、抱え込んだ彼らを

解脱させる、という破天荒な戦術を見出したのだ。

他の魂を自分の中に抱え込むこと自体、誰も出来ない

荒業なのだ。自分の中に魂の抱え込みができる存在は

いない。

その抱え込む魂の数たるや、1千個を超えたのだ。

抱え込んだ魂達を解放するために、彼は幾度も地上への

下生を繰り返したのであった。これが「日浦さん、

あなたほど苦しんだ人は、他に誰もいません」という

理由のひとつであった。